本文の始まりです
筌の口温泉 - Ukenokuchi Hotspring in Kusu
「お正月することないし、旅にでも出るか〜」
新年第1回目の行き当たりばったり温泉旅行は、そんな軽いノリで始まりました。
お昼前に北九州を出発した私たちは、道の駅に寄ってみたり、山道の路肩でススキを摘んでみたり、
徹底的に道草をしながらのんびり進むこと、約7時間。
(寄り道しないコースでいくと、小倉から高速で2時間、下道で3時間ほどで着きます。)
筌の口(うけのくち)共同温泉浴場は、大分県の玖珠郡九重町、九重夢大吊橋からさらに1キロほど坂をあがったところにあります。
金色に濁った湯は、たっぷりの鉄分を含んでおり、お湯の温度は少し高め。
当時の気温は氷点下で、
熱い湯温と外の気温との寒暖差にやられて、少しのぼせてしまいました。
利用料はおひとり200円。
内湯だけのシンプルな大浴場は、
バスタオル等の販売はなく、シャンプーも備えついていないのでお気をつけて。
近所に住む地元の方々は無料で利用できるようです。
脱衣所では、近所からやってきたと思しきお母さんたちの井戸端会議が。
「あら久しぶり。晩ごはんの片付けがやっと終わっていま来たんよ。今晩はうちがここの掃除当番やけね。」
「まあ、大変ねえ。せっかく掃除するんやけえお風呂入っとかんとねえ」
お母さんたちによると、
この共同浴場は、近隣地区の家々が当番制で掃除をすることで運営されているそうです。
その代わり、お掃除をする家の人たちは無料で利用できるという仕組み。
「わざわざ遠いところから来てくれてありがとうね。
ここ、いいとこでしょ。よかったらまた来たらいいわ」
この温泉をいつも掃除して管理してくださる地元の方々に、こちらこそ感謝です。
地域の人々によって守られる温泉で心も体も温まった私たちは、温泉を後にしました。
玖珠から竹田へ向かう道は、星が綺麗で思わず見とれてしまいます!
Photo and driven by Shiro Matsune